サイエンスカフェ「雄と雌をめぐる謎」レポート

datemark2008.08.01 Fri

7月28日に、カフェ・デ・サイエンス「雄と雌をめぐる謎」に行きました!
その内容をずらずらっと紹介します。


財団法人・武田計測先端知財団が主催する第20回サイエンスカフェ。
僕が参加するのは2回目でした。

今回のテーマは「オスとメス」。
ゲスト講師は「クジャクの雄はなぜ美しい?」の著者、長谷川眞理子さんです。

いやあー、結論から言ってしまうと今回の授業の素晴らしさは
長谷川先生の「人」の魅力に尽きるといった感じでした!

もちろん内容は面白かったですよ。「雄と雌の謎」なんて2時間に収まるはずがないよ!って思うくらい興味深いテーマです。
でもそれをさらに楽しく、わかりやすくしたのは、
先生の語り口というか、人柄と解説の上手さだったと思います。

自分は「サイエンスファシリテーター」と名乗っちゃいるけど、まだまだ道は険しいなぁと実感。 フゥ〜(ー_ー;)

とはいえ、こーゆーことはブログに書いても伝わらないので
内容の紹介をしておきたいと思います。



『雄と雌を巡る7つの謎』

講演タイトルにあわせて導入部分ではまず、
雄と雌を巡る謎について、学問上の主な観点を列挙してくれました。

(1) そもそもなぜ「性」があるの?
(2) なぜ雌雄の2タイプなのか?
(3) 雌雄に分かれる生物が多いのはなぜ?
(4) 雄同士、雌同士の競争はどんなもの?
(5) 雌は「勝ち残った雄」が好き?選り好みは何で決まるの?
(6) 雄と雌の間の「争い」はなぜ生まれるか?
(7) 人間における配偶者競争や駆け引き、性差とは?


(6)の説明に出てきた、メスの体に毒を盛るオスのハエの話が面白かったです。



『性の起源とは?』

講演の前半は、性の起源にまとをしぼってお話と質疑応答。
連続講座の講師であり微生物に詳しい大島先生と、長谷川先生の両講師から解説があり、
性が生まれるのに不可欠であっただろうポイントを3つを挙げました。

(1) 原始の生命が、食べた相手のDNAを偶然に取り込んだことなど
(2) 細胞のなかのDNAを核という特別な器官で保存し、新しい分裂方法ができたこと
(3) 増殖の専門家と身体機能の専門化に分業する、多細胞生物が生まれたこと


遺伝子を2つの個体で分けてまでも性を継続するポイントには、
・遺伝子の多様性を確保しつつ(変化の促進)
・不都合な突然変異やコピーミスを修復する(変化の抑制)
という、相反する2つの機能を実現できたということがあるらしい。

印象的だったのは大島先生がポロッと仰った「人間は増える細胞とそれを支える細胞の関係が逆転してしまった」という言葉。

つまり人間の場合、延命するためなら生殖器を除去する手術もありうるワケです。僕らは「命」を生殖細胞よりも体細胞に見出す。
これってたぶん、生物としては例外的なことなんですね。
授業後に思えば、こうした人間特有の行動には、後半に出てくる人間の「共同繁殖」という概念と無関係ではないかもしれません。



『人間の性』


授業の後半は、人間の話にしぼって解説。

サルと比べても、子どもの自立がとても遅い人間。
多くの哺乳類は離乳とほぼ同時に独立し、食事も自分でするようになるのに、約20年も親の世話が必要なんて、他の動物ではまずありえない。

つまり、人間は親の負担が非常に大きく、母親だけで育てるというのはかなり難しい。

こうした事情から人間は互いに共同して子どもを育てる必要性が高くなる。複雑な人間関係を利用する人間の「共同繁殖」について説明してくれました。

「これほど共同作業をして子どもを育てる生物は他にいません」
「20年近くも子どもへの愛情を保つことが必要。実際、サルと比べても愛情深いと感じます」
「同時に、ネットワーク(人間関係)への愛情も強い」
「そしてそれ故に、お互いの葛藤や憎しみもまた強いのだと思います」
「とても複雑な感情生活がある」

※メモ書きからの再現。僕の解釈が入っており先生の言葉通りではない

この共同繁殖という概念が面白いと思いました。

こうした観点に立てば、人間の場合、
生殖機能を失った老人であっても繁殖行動に参加できるわけです。

ひょっとすると、孫の世話をする爺ちゃん婆ちゃんも、
「赤ちゃんカワエエェェ!!」となるようなホルモンとかが
父母と同じようにバンバン出てる可能性もあるわけですよね。




最後の質疑応答もいろいろと面白かったのですが、
書ききれないのでこの辺にしておきます。
とても楽しい2時間でした。
  1. 2008/08/01(金) 18:17:44|
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